日本は貿易立国?
成績アップと、大分の高校入試、大学入試、豊府中入試に強い塾、ライズの都です。
昨今、某国の大統領が諸外国からの輸入品に次々と新たな関税を課して物議を醸しております。
その標的は日本も例外ではなく、主要な輸出品である自動車や半導体などに関税が課される可能性があります。
貿易で成り立っている「貿易立国」である我が国にも新たに関税がかけられてしまったら、この国の経済は立ち行かなくなってしまうのではないか?
そんな声も聞こえてきます。
しかし、日本が貿易立国とはどういうことなのか?
単なるイメージでものを言っているのでは?
そもそもその主張に根拠はあるのか?
かつて、大分県の公立高校入試の社会に以下のような問題がありました。

(※令和4年度 大分県公立高校入試 社会【4】(3)より)
みなさんは答えがお分かりになりますか?
資料を活用する選択問題ですが、正解できたとしても、その理由まで考えるとなると……。
正解は、ウ(1人当たり国内総生産)とエ(1人当たり輸出額)です。
まず、同じ「1人当たり」のデータですから、これらの数値で計算をすることができます。
その他のデータ、たとえばイは輸入額そのものなので、ウやエと比べたり、計算したりすることはできません。
そして、一国の国内総生産に対する貿易(輸出・輸入)額の比率を「貿易依存度」と言います。
これは、自国の経済を運営するためにどれだけ貿易(外国との物品やサービスの交換)に頼っているかを表す指標となります。
貿易依存度が高い国は、多くのお金を貿易で稼ぐことで、自国の経済を成り立たせています。
逆の見方をすれば、貿易依存度が低い国は、国内生産のみで国家全体のおおかたの需要を満たしている、いわゆる内需中心の国、ということが言えます。
貿易依存度という用語は中学校では習いませんが、
この問題は貿易依存度の概念を用いています。
上記の資料の中の各国のエ(1人当たり輸出額)をウ(1人当たり国内総生産)で割ると、
各国の貿易(輸出)依存度が導き出されます。
日本 14%
韓国 33%
タイ 45%
オランダ 78%
ドイツ 39%
メキシコ 37%
ざっと計算すると以上のようになり、日本の貿易依存度は他の5か国に比べて、かなり低いことが見て取れます。
貿易中心だと思われた日本経済が、実は諸外国と比べると、それほど貿易に頼ってはいなかったということが、資料を活用することで明らかになるわけです。
このように実際に数字を用いて示されると、説得力がありますね。
議論は具体的な数値でもって根拠を示すこと。物事は一面的に観るのではなく、様々な面から眺める必要があること。
これらの重要性を教えてくれるよい問題だと思います。
もちろん(問題の会話文でも言っていますが)、日本では石油や鉄鉱石などの鉱産資源はほとんど産出できないので、
貿易が日本にとって大切なことは間違いないでしょう。
世界中の人々が貿易によって快適で楽しい生活を送ることができるように、
平和な世の中であってほしいですね。
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