不等式の証明
高校2,3年生であれば,一度は数学で等式の証明をしたことがあると思います。
記述の添削をしていると,正しく記述できていない人の多さに驚かされます。
試しに次の問題に取り組んでみてください。
「すべての実数に対し,x^2-x+2≧x+1 が成り立つことを示せ。」
次のように書いてしまっていないでしょうか。
x^2-x+2≧x+1
x^2-2x+1≧0
(x-1)^2≧0
よって,x^2-x+2≧x+1
これでは示したい事柄が成り立っていることを前提としてしまっていますね。
例えるなら√2が無理数であることを示すときに,背理法を用いて次のように証明する感じです。
√2が無理数でないと仮定する。
だが,√2は無理数なのでこれに矛盾する。
したがって,√2は無理数である。
こんな風に言われると,最初の答案がいかにおかしいかがわかりますね。
不等式を証明するには基本,示したい不等式の(大きい方)ー(小さい方)が0以上(より大きい)となることを示すという方法をとります。
正しい答案は
x^2-x+2-(x+1)=x^2-2x+1=(x-1)^2≧0
となります。
最初の答案も少し手を加えれば正解となります。
x^2-x+2≧x+1
⇔ x^2-2x+1≧0
なので左辺が0以上であることを示す。
(左辺)=(x-1)^2≧0
よって,x^2-x+2≧x+1
こんな感じです。
数学の答案は読む人にどれだけわかりやすく伝えるかが大切ですので,早いうちから丁寧に取り組んでみてください。
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