社会「どっちの用語ショー」⑫-1
社会には、似たような用語が多いですよね。
このブログでは、社会の間違いやすい2つ(たまに3つ)の単語の違いを紹介していきます。
しかし第12回目は、いつもと少し変えて、「基本的人権」の六柱についてです。
平等権は、すべての日本国民が等しく扱われることを保障する権利で、日本国憲法第13条に基づいている。
自由権は、すべての国民の自由な思想や言動を保障する権利で、日本国憲法第18~23条などに基づいている。
社会権は、すべての国民が人間らしい生活を送るための生活基礎を保障する権利で、日本国憲法第25条に基づいている。
参政権は、国民が政治に参加する権利で、日本国憲法第15条に基づいている。
請求権は、すべての国民が国及び地方公共団体に対し自身の人権が侵害されたときに救済などを求める権利で、日本国憲法第40条などに基づいている。
新しい人権は、社会状況の変化により新しく定められた人権で、日本国憲法における規定はない。
これです。
「~権、多すぎやん!クロアチア代表チームの人は『~ッチ』が多すぎるのといっしょやん!」って思っている人は少なくないのではないでしょうか。
そう、多すぎです。
ってことで、今日は基本的人権そのものについて学んでいきましょう。
まずは『基本的人権』について、しっかり理解しておきましょう。
日本国憲法の「三大原則」と聞かれたら、
・国民主権(主権在民)
・平和主義
・基本的人権の尊重
と、この3つを答えます。
日本という国が、すべての日本国民に対して日本国憲法上約束している人権。
それが基本的人権です。
約束というのは、法律で基本的人権を侵さない、というのが分かりやすいですね。
国会で法律を成立する際に憲法に矛盾していれば、ただちに司法から指摘されます。
「違憲はいけん!」ってね・・・。
え~、また、この基本的人権について、日本国憲法の各条項ではいろいろ細かく記載されています。
それらを大きく分けると5つ(平等権・自由権・社会権・参政権・請求権)に分類されます。
また、日本国憲法には規定はないものの、社会状況の変化により日本国憲法の精神上認めるべき人権が「新しい人権」です。
言いかえれば、日本において国民が国から認められている権利を全部ひっくるめたものが「基本的人権」ですね。
ですので、「『基本的人権』と『平等権』の違いが分からない」というのは「『アテナの聖闘士』と『黄金聖闘士』の違いが分からない」と言っているようなものです。伝わるかなあ?身近な40代後半の男性に聞いてみてください。聖闘士は「セイント」、黄金聖闘士は「ゴールドセイント」と読みます。
ところで、基本的人権を理解する際に避けて通れない用語があります。
それは「公共の福祉」です。
日本国憲法第11条には
「国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与へられる。」
と明記されています。基本的人権が絶対的かのように書かれています。
しかし、直後の第12条には
「この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない。又、国民は、これを濫用してはならないのであつて、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ。」
そして第13条には
「すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。」
「公共の福祉」は、よく「社会全体の利益」だといわれます。
より多くの人の人権を守るために、一部の人権に制約をかける。
そんなイメージですね。
図書館で、多くの人が本を読んだり勉強したりするためには、私語やゲームなどを慎むのと同じ感覚です。それを、法律や条令規模で人権を制約・保障しているのです。
公共の福祉の名のもとに。
基本的人権の理解は深まりましたか?
次回は平等権です。
では、また!