社会「どっちの用語ショー」⑧
社会には、似たような用語が多いですよね。
このブログでは、社会の間違いやすい2つ(たまに3つ)の単語の違いを紹介していきます。
第8回目は、「緯線・緯度」と「経線・経度」についてです。
中学生に限って言えば、最低限覚えておかなければいけないのが
緯線は、地図に横(東西)に引かれる線。
緯度は緯線を表す角度で、0度は赤道であり、北緯と南緯はそれぞれ90度まである。
経線は、地図に縦(南北)に引かれる線で、別名「子午線」。
経度は経線を表す角度で、0度は本初子午線とよばれイギリスのロンドンを通っており、東経と西経はそれぞれ180度まである。なお、日付変更線はこの180度のラインにほぼ沿っている。
これです。
「なんか、いろんな用語がすでに入っているぅ~~~」って感じですが、大丈夫!
気合で根性と覚えられます!!
すいません、何のアドバイスにもなっていないですね。
まあ、とにかく今回もしっかり学んでいきましょう。
まずはちょっとマメ知識。
「緯」という漢字の意味はしっていますか?
もともとは「横糸」という意味です。
糸で布を織るときに、横に通っている糸ですね。
ですから、「経」は「縦糸」という意味です。
地球を布になぞらえて、こういう名前がつけられました。
さて、緯線・緯度からいきましょう。
前述のとおり、赤道が緯度0度です。
そこから、北半球の北緯は北極点にかけて90度まであります。
南半球も南緯が南極点にかけて90度まであります。
テストにもよくでますが、赤道がどのへんを通っているかはしっかり押さえておきましょう。
東南アジアであれば、マレー半島の先端にあるシンガポールのすぐ下(南)。
アフリカ大陸なら左(西)のえぐれているところ(ギニア湾)のすぐ下(南)。
南アメリカなら、国名がズバリ「赤道」という意味のエクアドルと、ブラジルのアマゾン川河口。
余談ですが、欧米では赤道を「等分線」という意味合いでよんでいます。
英語なら「equator(エクエーター)」が赤道です。エクアドルはこのスペイン語読みです。
カンのいい人は気づきましたか?「equal(イコール)」と語源は同じです。
なお、日本は北緯25度~46度に入ります。
東京が北緯35度ぐらいです。
つづいて経線・経度です。
経線は別名「子午線」とよばれます。
これは、昔の日本では十二支で方角をよんでいたことによります。
子(ね・ねずみ)が北です。
午(うま)が南です。
ついでに、卯(う・うさぎ)が東で、酉(とり)が西です。
さらについでですが、船で左に舵を切ることを「とりかじ」というのは、酉が西、つまり左を意味しているといわれています。右に舵を切るのは「おもかじ」ですが、これ卯が東、つまり右を意味しており、むかしは「うのかじ」といっていたのが「おもかじ」に変化した、といわれてます。
もちろん、諸説ありですよ。
とにかく、子午線という言葉は「南北線」という意味なんだ、と思ってください。
そのなかでも、本初子午線は経度0度の線を表しています。
イギリスの首都・ロンドンのグリニッジ天文台を通る線ですね。
1884年の国際子午線会議での投票によりグリニッジ天文台に決まったそうです。
意外と歴史が浅いです。
また、これとゴッチャになりやすいのが「標準時子午線」です。
これは、各国に設定された「時間を決める子午線」ということです。
日本でいうと、兵庫県明石市で東経135度ですね。
ロンドンの時間が決まれば、日本国内の時間はすべて東経135度の時間に決まります。
経度15度につき1時間時差がおき、かつ、東へいくほど時間が早くなります。
135度÷15度=9時間。日本はロンドン(イギリス)より9時間早いことになります。
「でも、東に行きすぎたら、元に戻って時間が24時間ズレますやん。地球丸いし。」
って思いますよね。
そこで重要なのが、太平洋のど真ん中をバチコーン!と通る日付変更線です。
日付変更線は、180度の線にほぼ沿っています。
つまり、本初子午線のほぼ真裏ですね。
「ほぼ」とは、日付変更線が国境により多少ジグザグしている、ということです。
とにかく、この線をまたぐと1日戻さなければならない、ということですね。
このおかげで、一周すると時間も元通り、となります。
プラスアルファですが、「対蹠点(たいせきてん)」は知っていますか?
最近、中1の定期テストでけっこう出てきているワードです。
対蹠点とは、地球上のある地点の、真裏の点をいいます。
たとえば東京なら、地球儀上の東京のところから長い針をズブズブズブっと刺します。
これを地球儀の中心を通るようにズブズブ刺し続け、地球の反対側にズブーンと出てきた針の先の地点。
これが対蹠点です。
では問題です。東経135度・北緯35度の対蹠点の経度緯度はどうなるでしょう?
考えてみましょう。
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
正解は、
西経45度、南緯35度です。
計算方法は、シンプルです。
経度は、まず東西を変更します。
数字は、180度ー〇度です。上の問題だと、180度ー135度=45度、となります。
緯度は南北を変えて、数字はそのままです。
出来るようになっといた方がいいですよ。
けっこういろいろ長々書きましたが、最初にも書いたように
緯線は、地図に横(東西)に引かれる線。
緯度は緯線を表す角度で、0度は赤道であり、北緯と南緯はそれぞれ90度まである。
経線は、地図に縦(南北)に引かれる線で、別名「子午線」
経度は経線を表す角度で、0度は本初子午線とよばれイギリスのロンドンを通っており、東経と西経はそれぞれ180度まである。なお、日付変更線はこの180度のラインにほぼ沿っている。
これだけはしっかり押さえておきましょう。
え?「多いやーん」て?
本当の最低限は、
緯線・横線・緯度・赤道・南緯・北緯
経線・縦線・本初子午線・東経・西経
まだ多い?
緯線・横
経線・縦
これ以上はゆずれませんよ。
「良い竹」(よこ・いせん・たて・けいせん)
と覚えましょう。
では、また!