偉人の妄想インタビュー⑥ ~菅原道真~ その5
こんにちは。
全て、講師亀崎の妄想です。ちょっとした読みもの的な感じで作ってみました。
広い心で、暇つぶし的に読んでいただければ幸いです。
今回も、菅原道真です。
学問の神様として有名ですね。
今回のメインは「宮家と北家の仁義なき戦い」です。
ΠΠΠΠΠΠΠΠΠΠΠΠΠΠΠΠΠΠΠΠΠΠΠΠΠΠΠΠΠΠΠΠΠΠΠΠΠΠΠΠΠΠΠΠΠΠΠΠΠΠΠΠΠΠΠΠΠΠΠΠΠΠΠ
インタビュアーを「I」、
菅原道真を「菅」とする。
I:宇多天皇としては、藤原氏との関係が薄くなったことで親政を行うチャンスを得たんですね。
菅:そん通りや。
北家は重用するけど、あくまでも天皇や皇族中心の政治をする、っちゅうな。
やけん、こんときの宇多天皇とかオレらもいろいろやったなあ。
税の仕組みを変えたり、滝口の武士(内裏の警護)を置いたり。
朝廷内で、一部の有力貴族が力を持ちすぎんよういろいろ変えていったんやな。
I:いわゆる「寛平(かんぴょう)の治」というものですね。
菅:そうそう。
そっから、宇多天皇は息子の醍醐天皇に譲位するんよな。
I:え?そうなんですか?
菅:それがな、醍醐天皇は病気がちやったんや。12歳ぐらいでな。
I:とうことは、院政みたいなことをしたんですか。
菅:そうで。しかも、宇多天皇は出家したんよ、仁和寺で。
聞いたことあるやろ。
I:徒然草で有名ですね。あ、鎌倉時代の随筆ですが。
菅:石清水八幡宮の話やろ。おもしれぇなあ、あの話。
とにかく、宇多天皇は宇多法王になったんよな。
I:でも、醍醐天皇といえば「延喜の治」で、時平さんが中心だったような。
菅:そこはザ・藤原氏よな。
宇多法王はだんだん仏教にハマっていっちな、ちょっと朝廷から離れ気味になるんや。
そんスキを逃さんのが藤原氏や。
・・・まあ、オレがやられたんやけど。
I:昌泰(しょうたい)の変ですか。
菅:そうなんよ~。キツかったなー、アレは。
時平がな、気づいたら醍醐天皇をがっちり丸めこんじょったんや。
でな、ワケわからん噂流されてな。
I:謀反の疑いとのことですが、具体的にどういう内容ですか。
菅:ちょっと前から嫌な予感はしよったんや。
ウチの家系、学者としては有名やけど家格は高くないんよな。
そこにきて、右大臣に任じられたんや。もちろん、宇多法王のご指名な。
それでもオレ、一回断ったんで。
やけど、法王が「やれっち言いよんのやけん、やらんか」ちゅうて。
ちょと低めの声で言うんで。断りきらんやん。
同時に、左大臣に時平がなったんやけど、法王は何かっちゃあオレばっか来るんよな。
「ヨダキイことならんかったらいいけど」っち思っちょったら案の定や。
気づいたら宇多・菅原VS醍醐・時平ちゅう構図になっちな。
で、ある日、突然!や。
「道真が、醍醐天皇を廃帝させようとしている!
その準備として自分の娘婿の斉世親王(ときよしんのう)を皇太子にと企てている!」
ちゅうて。はぁ?っち思っても、もうどんこんならん。
「こん、謀反人が!」みてぇなレッテル貼られちなあ。
藤原氏なんか、いっつもしよんのに、で。
醍醐天皇から言われたわ。
「お前、太宰権帥(だざいのごんのそち)な。大宰府行けや」っち。
I:その「大宰権師」って、どういう役職ですか?
菅:大宰府の長官やったら、大宰帥(だざいのそち)な。
権帥は次官ちゅうか、大宰帥がおらんときは代わりに業務にあたる、みたいな。
でも、実際にオレん場合は仕事がねえわけよ。
細かい話すると「大宰員外帥(だざいいんがいのそち」な。
左遷に都合がいいポストで、仕事はねえ。
I:大宰府での生活はどうでしたか?
菅:・・・いやあ、地獄やったなあ。
まず、京から大宰府に行くのも自費やし。仕事ねえけん給料ねえし。
家はボロくて雨漏りはする、床は抜ける。
連れてきた幼子は一人死んでしもうたし、都に残した妻も死んでしもうた・・・
大宰府に着いてオレも2年で死んだっちゃ。
限りなく死刑に近い流刑みたいな左遷やったな。
I:死んだあと、都は大変だったそうですね。
菅:醍醐天皇も時平も死んで、他の貴族も死んで・・・
でも、なんかオレが怨霊になっちょんやん。ヒドイわ~。。
しかも「三大怨霊」の扱いで。
I:平清盛と崇徳天皇とならんで、ですね。
菅:その反動か何か知らんけど、今度は神様扱いや。
もう、勝手にしちくりい。
I:とはいえ、太宰府天満宮も北野天満宮も大人気ですよ。毎年多くの学生が参拝しています。
菅:学生が夢を持ってお参りしてくれるのはうれしいけどな。
I:2009年では、太宰府天満宮は正月三が日の参拝者数第7位ですよ。
三日間で参拝者が200万人超えているのが7位までです。
文字通り「神セブン」ですね。
菅:・・・うまいこというやん。
今度、梅が枝餅ごちそうするわ。
以上で、菅原道真編は終了です。
ありがとうございました。