偉人の妄想インタビュー⑤~桓武天皇~ その4
こんにちは。
全て、講師亀崎の妄想です。ちょっとした読みもの的な感じで作ってみました。
広い心で、暇つぶし的に読んでいただければ幸いです。
桓武天皇の第4回です。
皇位継承をめぐる貴族たちのバトルとは?
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インタビュアーを「I」、桓武天皇を「桓」とする。
桓:(光仁天皇擁立は)モメたで~。
なんせ、あの吉備真備は別の皇族を推しとったからな。
でも、そうなると黙っとらん一族がおるやろ。
I:藤原氏ですね。
桓:分かってるやん。仲麻呂んとこは藤原四家の南家やろ。
もちろん、元気あれへん。
京家はちょっと置いといて、式家と北家がだまってへんがな。
特に式家は『藤原広嗣の乱』のせいで肩身の狭い思いしとったんや。
天武系皇族の男子は仲麻呂の乱や道鏡やらの粛清に巻き込まれてホンマに少なくなってん。
その少ない中から天武天皇の孫を二人、あの吉備真備が推挙しよったんや。
ほんで、藤原氏としては天智系の皇族から推挙して、何としても天皇にせなアカン、と。
ちゅうのも、吉備真備もすごかってんけど、その娘もすごかったんや。
I;吉備由利(ゆり)ですね。
桓:その由利やけど、宇佐の件のあと、称徳天皇は道鏡より信頼してたんちゃうかな。
称徳天皇の寝所に唯一出入りできた人や。
そんなんも、藤原氏にとったら驚異やで。
I:では、なぜ天智系から光仁天皇が御即位されたんですか。
桓:ええか、ちょと複雑やで。よう聞いといてな。
まず、光仁天皇な。ワシのオヤジや。
オヤジの奥さんの一人に、井上(いのえ)内親王がおってん。
この人はワシのオカンちゃうけど、称徳天皇のお姉ちゃんやってん。
I:聖武天皇の娘ですか。
桓:せやな。でも、光明皇后の娘ではないねん。
称徳天皇からすると、異母姉やな。安積親王からすると、ガチの姉ちゃんや。
その井上内親王から、急に称徳天皇からの遺言を預かっとる、ちゅう話が出てきたんや。
その内容が「自分の次の天皇は白壁王(光仁天皇)やでー。」って書いてあってんて。
I:・・・ホントですか?
桓:ホンマ・・・なんやろな。
ただ、それが決め手になって、光仁天皇誕生や。
とにかく、オヤジを推したのが式家の藤原百川(ももかわ)と北家の藤原永手(ながて)やな。
その二人が中心となってガンバっとたわ。
特に百川は式家再興のために必死のパッチや。
オヤジが天皇になる前、こっそりワシに言いよったんや。
「光仁天皇の次は、アンタが天皇や。頼むで~。」いうて。
I:光仁天皇になれば、親子なんだから自然とそうなるんじゃないんですか?
桓:いやいやいや。そうは簡単にいかへん。
なんせ、ワシのオカンは身分が低かったからな。
逆にオカンがそんなやから、ワシは有力な貴族とほとんど縁がなかったんや。
ある意味、都合がよかったんや。これからどうとでもなるし。
百川の中では「光仁天皇→ワシ(桓武天皇)」っていうところまで絵を描いとった思うで。
いや、ひょっとしたらその次も考えとったかもしれん。
策士・百川の未来予想図と、仁義なき政争が気になりますね。
次回は少し血なまぐさい話になりますよ・・・。